聞きとりの作法
小池 和男東洋経済新報社
東洋経済新報社
聞き取り調査(インタビュー調査)のテクニックと心構えが、筆者の豊富な経験に基づいて解説されている、素晴らしい方法論教科書である。
東大経営学者らによる『リサーチ・マインド 経営学研究法』(有斐閣アルマ)の第1章(藤本隆宏執筆)で、「聴き取りの達人のノウハウが詰まった本」としてこの本が推薦されていたことから、入手して読んでみた。私自身、研究者という仕事柄日常的に数多くの聞き取り調査を行っているが、こんな本ともっと早くに出会いたかったと強く思う。
多くの社会調査の方法論の教科書では、インタビュー調査については、事前の仮説設定や分析概念・測定指標の設定といった一般的な事柄しか書かれていないが、この本には、最初に誰に問い合わせるか、依頼文はどのように書くか、どこで聞くか、どれくらいの時間・何回聞くのがいいか、何人で聞くのがいいか、漠然とした回答にはどう対応するか、といった、非常にプラクティカルなテクニックが、筆者が経験した具体的な事例に基づいて解説されている。もちろん、これらは全て難しい問題であり、完全な答えが示されていないものもあるが、達人の経験談は非常に参考になる。
また、いかに話し手に敬意を払い、貴重な時間を割いてもらって、事実に迫るための情報を提供してもらうか、といった心構えが繰り返し述べられている点も、筆者の誠実な姿勢を表している。ぜひ見習いたい。嘆かわしいが、こういった心構えのない不誠実な研究者は私の周りにも多いのである。
ただし、文体がナレーティブでありポイントが図表に整理されたりしていないため、やや読みにくい感はある。聞き取り調査の初心者がこれを読んだとしても、よくわからないかも知れない。初心者には、前述の『リサーチ・マインド 経営学研究法』(有斐閣アルマ)などの方がわかりやすいだろう。
要するに、社会調査の専門家向けの本である。少し聞き取り調査をしているがいつも苦労している人、もっとうまく聞き取りができるようになりたいと思っている人、などには大いに参考になるだろう。
東大経営学者らによる『リサーチ・マインド 経営学研究法』(有斐閣アルマ)の第1章(藤本隆宏執筆)で、「聴き取りの達人のノウハウが詰まった本」としてこの本が推薦されていたことから、入手して読んでみた。私自身、研究者という仕事柄日常的に数多くの聞き取り調査を行っているが、こんな本ともっと早くに出会いたかったと強く思う。
多くの社会調査の方法論の教科書では、インタビュー調査については、事前の仮説設定や分析概念・測定指標の設定といった一般的な事柄しか書かれていないが、この本には、最初に誰に問い合わせるか、依頼文はどのように書くか、どこで聞くか、どれくらいの時間・何回聞くのがいいか、何人で聞くのがいいか、漠然とした回答にはどう対応するか、といった、非常にプラクティカルなテクニックが、筆者が経験した具体的な事例に基づいて解説されている。もちろん、これらは全て難しい問題であり、完全な答えが示されていないものもあるが、達人の経験談は非常に参考になる。
また、いかに話し手に敬意を払い、貴重な時間を割いてもらって、事実に迫るための情報を提供してもらうか、といった心構えが繰り返し述べられている点も、筆者の誠実な姿勢を表している。ぜひ見習いたい。嘆かわしいが、こういった心構えのない不誠実な研究者は私の周りにも多いのである。
ただし、文体がナレーティブでありポイントが図表に整理されたりしていないため、やや読みにくい感はある。聞き取り調査の初心者がこれを読んだとしても、よくわからないかも知れない。初心者には、前述の『リサーチ・マインド 経営学研究法』(有斐閣アルマ)などの方がわかりやすいだろう。
要するに、社会調査の専門家向けの本である。少し聞き取り調査をしているがいつも苦労している人、もっとうまく聞き取りができるようになりたいと思っている人、などには大いに参考になるだろう。
「論理戦」に勝つ技術―ビジネス「護心術」のすすめ
香西 秀信PHP研究所
PHP研究所
著者はレトリック(修辞学)の研究者である。ビジネス「護心術」のすすめが副題だが、その意味はすなわち、相手の修辞疑問にひっかかるな、ということだ。修辞疑問とは何か。そのれがこの本の言わんとすることなので、私の議論するところではないが、簡単に言うと、その疑問に答えてしまうことによって、あるいは、答えないことによって、相手の都合のよい議論の流れに引き込まれてしまうような疑問、質問のあり方、ということになるのだろう。
そういう高度なテクニックはどうすれば身につくのだろう、と思ってしまうけど、案外、その辺の日常会話にゴロゴロしているようだ。詳細は本書で!
そういう高度なテクニックはどうすれば身につくのだろう、と思ってしまうけど、案外、その辺の日常会話にゴロゴロしているようだ。詳細は本書で!
交渉とミディエーション―協調的問題解決のためのコミュニケーション
鈴木 有香三修社
三修社
¥ 2,993
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エリヤフ ゴールドラット著の「ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス」がコンフリクト・マネジメントのテキストとしては有名です。
本著もコンフリクト・マネジメントの入門書ですが、人間関係に配慮したコミュニケーション能力を基礎にしてコンフリクトを解消する方法のテキストです。人間関係のいざこざ、すなわち異文化コンフリクトを解消するために有効な交渉術、調停術(ミディエーション)が練習問題やロールプレイを取り組み、書かれています。そして、その技術はコーチングの技術に近いものです。どうしたら交渉相手とWin-Winの関係になれるかいうことが書かれています。
外国とお付き合いのある方だけでなく、部下や同僚を持つ組織人、お客様を持つ営業職の方にもお薦めの一冊です。